地味な崩壊と再生『不都合な理想の夫婦』(2019)ネタバレ感想
(C)Nest Film Productions Limited/Spectrum Movie Canada Inc. 2019

彼らの絶望はそこまでドラマチックではない。

『不都合な理想の夫婦』(2019)の感想、解説をしていきます!

『不都合な理想の夫婦』(2019)の評価

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『不都合な理想の夫婦』(2019)の作品情報

製作年 2019年
原題

The Nest

製作国 イギリス
上映時間 107分
ジャンル ドラマ
監督 ショーン・ダーキン
脚本 ショーン・ダーキン
主要キャスト ジュード・ロウ(ローリー・オハラ)

キャリー・クーン(アリソン・オハラ)

チャーリー・ショットウェル(役名)

ウーナ・ローシュ(役名)

『不都合な理想の夫婦』(2019)の概要

夢を追うほど、悪夢になった。

1986年。NYで貿易商を営む英国人のローリーは、米国人の妻アリソンと、息子と娘の四人で幸せに暮らしていた。満ち足りた生活を送っているように思えたが、大金を稼ぐ夢を追って、好景気に沸くロンドンへの移住を妻に提案する。かつての上司が経営する商社に舞い戻ったローリーは、その才能を周囲から評価され、復帰を歓迎される。プライベートではロンドン郊外に豪邸を借り、息子を名門校に編入させ、妻には広大な敷地を用意。それはまるで、アメリカン・ドリームを体現した勝者の凱旋のようだった。しかし、ある日、アリソンは馬小屋の工事が進んでいないことに気付く。業者に問い合わせると、支払いが滞っており、更には驚くべきことに新生活のために用意をしていた貯金が底を突いている事を知ってしまうのだった・・。

「不都合な理想の夫婦」公式HPより引用

©Nest Film Productions Limited/Spectrum Movie Canada Inc. 2019

『不都合な理想の夫婦』(2019)のキャスト「キャリー・クーン」について

キャリー・クーン

大好きなんですよ、キャリー・クーン。

恐ろし映画『ゴーン・ガール』でスクリーンデビューし、その存在感を見せつけました。

品があるし色気もあるし「この人を観たい」と思わせてくれる俳優の一人です。

ドラマ『ファーゴ/FARGO 3』や『The Sinner 隠された理由』は素晴らしかったです!

LEFTOVERS/残された世界』の演技も絶賛されたようですが、日本で見ることが出来ません。円盤も出てないし。なんてこった。

『グッドプレイス』で全知全能の判事(マーヤ・ルドルフ)が「(エミー賞に)キャリー・クーンがノミネートされなかったから地球を滅ぼそうかと思った」と言った程、彼女の演技は素晴らしかったようです。

日本で見ることが出来ないなんて残念過ぎる...。

『不都合な理想の夫婦』(2019)の感想

私は2021年のサンダンス映画祭のプレミア上映で話題を呼んだ本作を首を長くして待っていました。

待ちに待ちすぎて期待値が上がっていたせいか、期待外れでした。

彼らの抱える問題は、本人たちには大問題なのは百も承知ですが、甘っちょろくたいしたことない話だと感じました。

奥行きのある作品であるとは思うのですが、全てを見せず、限られたセリフで彼らの抱える問題を観客に「察しろよ」という感じで、察しが悪い私には大変厳しかったです。

ローリーがなぜ悲しいほど自己中な人間になったのかは、彼が地元に帰り母親と交わした少ない会話でうっすらとは分かります。

貧しい暮らし(暴力も受けていたのかも)から抜け出したい一心でお金持ちになろうとしていたローリー。

自慢話をするだけでしか自分を強く大きく見せる事ができなかった。

周りがうんざりし、同情している事にも気が付かずに。

見栄を張り、自信があるふりをして家族にすら中身が空っぽな自分を隠してました。

全然隠せてないけどな!

なんでアリソン今まで全然気づかんかったんやろう??と思う程。

かわいそうなのは子どもたちですよ。

親の勝手で住居を転々とし、両親の喧嘩を目の当たりにし、行きたくもない学校に行く。

弟は広すぎて古すぎる屋敷が恐ろしくおねしょ再発。

姉はあからさまにグレてタバコを吸ったり薬をきめたり。

アリソンは娘から「夫の言いなりになるのが成功の秘訣ね」みたいな嫌味を言われてましたね。

男性優位、家父長制に対する痛烈な一言

有害な家父長制を壊して家族を再生させるというのがテーマなんだろうな。

ローリーもまた被害者だということか。

エモーショナルだったのはアリソンの連れ子がボロボロになったローリーを一番に受け入れたシーン。

ローリーが「金持ちぶること」をやめられるのなら、この家族は新しく生まれ変われるかもしれない。

そんなかすかな希望が見えたラストでした。

『不都合な理想の夫婦』(2019)まとめ

雰囲気は抜群に良い映画でした。

「何か起きそう」、「何かが起きている」と観客を不安にさせる演出は見事だし、ジュード・ロウとキャリー・クーンという美しい二人を大画面で見ることができたのも良かった。

死んでしまった馬の意味が私には理解できませんでしたが...。

これ分かってないってちょっとあれですかね?

感想述べる資格ないかもしれませんね…。

もうしっかり述べたけど。

あと、タイトルに関してはちょっと納得いきません。

原題の「The Nest」がぴったりだからなぁ。

ローリーは一つの所に落ち着けない人間で「巣」になる場所がないんですよね。

野心が強くてまるで家庭に向いていない。

でもラストでは家族は剥がれていくローリーの内面を目の当たりにしたし、ローリー自身は自分が空っぽな人間であることを認めた。(ように見えた)

彼らはこれからようやく「巣」となるわが家を手に入れることになるのでしょうかね。

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