深みのある演技を堪能『スーパーノヴァ』(2020)ネタバレ感想
(C)2020 British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Supernova Film Ltd.

愛の物語。LGBTQ+の物語ではない。

『スーパーノヴァ』(2020)の感想、解説をしていきます!

『スーパーノヴァ』(2020)の評価

項目 評価
知名度
配役/キャスト
ストーリー
物語の抑揚
落ち込み度
おススメ度
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『スーパーノヴァ』(2020)の作品情報

製作年 2020年
原題

Supernova

製作国 イギリス
上映時間 95分
ジャンル ドラマ
監督 ハリー・マックィーン
脚本 ハリー・マックィーン
主要キャスト コリン・ファース(サム)

スタンリー・トゥッチ(タスカー)

 

『スーパーノヴァ』(2020)の概要

ピアニストのサムと作家のタスカーは、ユーモアと文化をこよなく愛する20年来のパートナー。ところが、タスカーが抱えた病が、かけがえのないふたりの思い出と、添い遂げるはずの未来を消し去ろうとしていた。大切な愛のために、それぞれが決めた覚悟とは――。

「Filmarks」より引用

『スーパーノヴァ』(2020)のクイアポイント

主人公の二人はゲイカップルです。

本作ではそれが当たり前として描かれており、LGBTQ+を題材にした作品ではなく、普遍的な愛の物語として描いています。

そこが素晴らしいと思いました。

実生活で友人であるコリンとスタンリーがカップルを演じるということにも感動!

かつてイギリスでは男性同士の同性愛は犯罪でした。(ソドミー法)

最近では『ジュディ 虹の彼方に』や、『イミテーション・ゲーム』でも投獄されるエピソードがありましたね。

『スーパーノヴァ』では、車中の会話から「セクション28」という法律が制定された頃に出会っていたことが分かります。

セクション28とは

鉄の女と言われた当時の首相であるマーガレット・サッチャーが制定した法律です。

「公的な教育現場で同性愛を助長してはならない」という内容で、図書館に意図して同性愛関連の書籍を置くことが禁止され、学校教育の現場に関わる者はすべて、同性愛者について言及することができなくなりました。

エイズが蔓延していた時代で、1988年から2003年まで続いていたのです。

保守派の支持を得るために出した政令と言われています。

関連作品として『パレードへようこそ』と『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を観ようと思います!

『スーパーノヴァ』(2020)の感想

ラブストーリー。

ラブシーンがたっぷり用意されているわけではないのに、彼らの会話を聞くと、どれだけ二人が愛し合っているかが分かります。

若年性認知症という病を患ったタスカーが安楽死を決断したことは、少し理解できるような気がします。

変わりゆく自分。近い将来、変わっていくことすらわからなくなる現実が待ち受けている。

やがて愛する人のことが分からなくなる日が来て、かつて彼に愛された自分が、愛する人の記憶から消えてゆく

タスカーはどうしてもそれを受け入れることが出来なかった。

そしてサムは、タスカーが選んだ安楽死という選択を、愛するがゆえに受け入れた。

愛する人との素晴らしい思い出と喪失感を抱えたまま、これからもサムの人生は続くと思うと胸が締め付けられます。

先日鑑賞した『ブラック・バード』は群像劇であることに対し、『スーパーノヴァ』は主役の二人にフォーカスされています。

その分二人の会話がメインで、言葉からお互いの愛情が伝わるような演出です。

かつて二人が行った思い出の場所への旅。

二人にとって最後の旅。

美しいイギリスの風景とユーモアが混じった愛情あふれる会話。

二人が見ている景色は全く違うことに気づくのは後半になってタスカーの決断を知ってから。

もう二度と一緒に見ることがないと分かっているタスカーは、この景色や隣にいる愛する人を、どこまでも自分に焼き付けようとするかのように見ていました。

『スーパーノヴァ』(2020)まとめ

「全ての良い思い出を、愛する人の記憶に留めておきたい。」

「私を忘れないで欲しい。」

人を愛するというのは時にどうしようもなく自分勝手だけれど、譲ることができない想いの強さが羨ましいと感じました。

哀しい物語だけど、淡々と描くことで、観客の痛みも和らげてくれていると感じたのは考えすぎかな?

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