【これぞリアル脱出ゲーム?】映画『RUN ラン 』(2020)ネタバレ感想
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怒涛の展開と演技対決から目が離せない。至福の90分を味わえる!

『RUN ラン 』(2020)の感想、解説をしていきます!

『RUN ラン 』(2020)の評価

項目 評価
知名度
配役/キャスト
ストーリー
物語の抑揚
脱出困難度
おススメ度
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『RUN ラン 』(2020)の作品情報

製作年 2020年
原題

Run

製作国 アメリカ
上映時間 90分
ジャンル ドラマ
監督 アニーシュ・チャガンティ
脚本 アニーシュ・チャガンティ、セブ・オハニアン
主要キャスト サラ・ポールソン(ダイアン)

キーラ・アレン(クロエ)

『RUN ラン 』(2020)の概要

パソコン画面上でドラマが展開するという新機軸で注目を集めたサスペンススリラー「search サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督が、母親の娘への歪んだ愛情の暴走を描いたサイコスリラー。郊外の一軒家で暮らすクロエは、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。しかし、前向きで好奇心旺盛な彼女は地元の大学への進学を望み、自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアンに不信感を抱き始める。そして、クロエの懸命な調査により、ダイアンが新しい薬と称して差し出す緑色のカプセルが、けっして人間が服用してはならない薬であるということが判明してしまう。クロエ役をオーディションで抜擢された新人女優キーラ・アレン、母ダイアン役をドラマシリーズの「アメリカン・ホラー・ストーリー」のサラ・ポールソンがそれぞれ演じる。

映画.comより引用

『RUN ラン 』(2020)のキャスト

サラ・ポールソン

もはや説明不要の存在です!

『キャロル』や『オーシャンズ8』、ドラマの『ミス・アメリカ』で脇役として輝きまくっている名優。

今回は新人との(ほぼ)二人芝居なので、彼女の力の見せ所なのですが、観終わって彼女の演技力は本物なんだとしみじみ思いました。

毒母」ということが映画の宣伝にもありましたが、私は最初ダイアンは本当に優しいお母さんなんだと思って観てました。

「ホームスクール親の会」で、子どもの進学で子離れできないという気持ちを吐き出す他の親たちを前に「これでようやくデートできるわ。せいせいする」と言ってのけるくだりは、本当にせいせいしているように見えたもの。

なので娘のクロエが一つの綻びを見つけた時「いや、本当の本当に娘の事を考えているはずだから、変な薬なわけない」と思ってしまっていました。

私が純粋すぎるのか?サラポの演技力が凄すぎるのか?!

キーラ・アレン

監督は本当に障がいがある人をキャストしたかったとパンフレットに書いてありました。

すい星のごとく現れた新人女優キーラは実生活でも車いすで生活しているようです。

この映画でアクションにも挑戦しているし、本当にパワフル!

新人なわけないやろと言いたくなるほどの落ち着いた演技。

もしかしたら障がいがあるからという理由で彼女の演技の才能が埋もれていたかもしれませんね!

『RUN ラン 』(2020)のネタバレたっぷり感想

まさかの代理ミュンヒハウゼン症候群!!(親が子どもに必要とされたいがために子どもに病気を作るという精神疾患)

しかも誘拐犯!!!

もう満腹です!!

しかもそれだけで終わらせず、虐待の連鎖をさらりと描いた衝撃のラスト!!

気持ちいいぐらい騙されました。

ラストの展開だけではなく、この映画には面白ポイントがいくつかあります。

面白ポイント① 演技対決

サラ・ポールソンの実力は数々の映画やドラマで思う存分堪能してきたつもりですが、本作が真骨頂ですね。

何考えてるのかぜんっぜんわからん。

慈悲深くて理解のある、娘を愛する母親の表情。

なのにどこか不安を掻き立てる。

キッチンからクロエを見る姿は完全におばけでした。

娘の一人立ちを阻むためならなんでもするおばけ。

合格通知を渡すまいと必死に危険運転をしても、娘の前では汗一つかかず表情もいつも通り穏やかなんですよ。

登場人物は殆ど二人なので演技合戦が半端ないです。

クロエを演じたのは新人のキーラ・アレン。

どこにでもいるような感じな子だなという印象から一転、ものすごくパワフルで自分をしっかり持った、優しくもあり恐ろしくもあるという、人間の多面性をこれでもかと言う程見せてくれました。

クロエのつま先が動くようになった時の表情は必見です。

面白ポイント② 手に汗握る「薬」探しゲーム

母親の名前で処方させられた薬を飲まされたことに疑問を抱いたクロエは、どうにかしてこの薬を調べようと試みます。

普通の人ならばググればすぐに分かるけれど、クロエは持病がある為、殆ど家から出ることがなく、スマホを持つ必要がない生活でした。

だからこの薬がなんなのか分からない!ググれない!!

ある日思い切って夜中にネットでググろうとしたら「インターネットに接続されていません」という表示が。

諦めきれないクロエは別の手段を考えます。

なんと適当に電話をかけて、出た人にググってもらうというアイデア!

クロエの賢さにビビります。

最後には決死の思いで一瞬の隙をついて母親の手から逃れたクロエは、薬剤師を口車にのせてその薬の対象者(?)や、効能を知るのです...。

面白ポイント③ 遊び心いっぱい

鑑賞時には気づきませんでしたが、パンフレットにトリビアが載っていました。

パスコ薬局の薬剤師の名前は「キャシー・ベイツ」だそうですよ!

ぼーっとみてたから気づかなかった!

キャシー・ベイツ、皆さんご存じですよね?

最近では『リチャード・ジュエル』や『ビリーブ 未来への大逆転』で好演しまくりの素晴らしい女優ですが、彼女の名を一躍有名にしたのは『ミザリー』です。

ホラーの巨匠スティーヴン・キング原作の映画で、キャシー・ベイツはアカデミー主演女優賞を受賞しました。

他にも電話番号案内から流れる地名はスティーヴン・キングが創作した架空の町の名前だとか!

めっちゃ尊敬してるやんスティーヴン・キングの事!

それに今回は現代を舞台にした作品でありながらスマホやネットが殆ど登場しません。

これは完全に意図したことでしょう。

『search/サーチ』とは違うぞ!というメッセージが込められているのです。

ネタバレ感想

冒頭から私たち観客はミスリードされていたんですね!

クロエは多くの持病を抱えながらも力強く生きて今に至ったのだと信じて疑いませんでした。

持病を抱えた本当の娘は生後すぐに亡くなったので、別の赤ちゃんを誘拐して実の子どもと同じ症状が出るように細工した、なんて。

本当に想像の上を行く展開で、「だまされた!」という快感が押し寄せてきて、怖い映画だったのに嬉しくて仕方ありませんでした。

ラストでは、クロエは刑務所の精神病院?に入った母親を見舞うのですが、ここのクロエの表情が本当に素晴らしくて。

母親と同じように慈悲深くて屈託のない笑顔で母親と話すクロエ。

会話から(といっても一方的に話しているだけで、ダイアンはめちゃくちゃ慄いている)結婚して子どもができて、実の両親とも出会えていることが窺えます。

なのにこんな危険な誘拐犯を見舞うなんて、本当に優しい子なのねクロエは。

と思った直後、かつて自分が与えられたあの緑色の薬を口から出すんですよー!!!!

クロエお前もか!!!!

この見事な虐待の連鎖

お互いがお互いを必要とする虐待のループから逃れられないのです。

怖い映画やでー!

『RUN ラン 』(2020)最後に

スリラーの名作(勝手に決めた)『RUN ラン』はアメリカでは配信のみだったそうです。

ひょえー、もったいないー!!

日本で劇場公開してくれたことに改めて感謝します!

逃げ出したいのにことごとく捕まってしまう状況をインターホンの音で邪魔されたら泣くわ。

半端に社会問題を提起するのではなく、実際に起こるかもしれない問題をエンタメ作品として仕上げた製作者たちのアイデアと手腕に脱帽です!


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