
原題を直訳すると「僕のタコ先生」
ある運命的な出会いをしたタコとの交流で、自分自身を再生した映像作家の物語。
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『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』(2020)の作品情報
製作年 | 2020年 |
原題 | My Octopus Teacher |
製作国 | 南アフリカ |
上映時間 | 85分 |
ジャンル | ドキュメンタリー |
監督 | ピッパ・エアリック、ジェームズ・リード |
製作 | クレイグ・フォスター |
主要キャスト | クレイグ・フォスター |
『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』(2020)のあらすじ
南アフリカの美しい海を舞台に、映像作家の男性と1匹のタコの約1年間にわたる交流を描いたドキュメンタリー。映像作家のクレイグ・フォスターは人生に疲れ、癒しを求めて南アフリカの海に潜る日々を送っていた。そんなある日、海中で1匹のタコに出会った彼は、その驚異的な生態に魅了され、毎日そのタコのもとへ通い始める。クレイグはタコとの特別な絆を築いていく中で、自らの人生を見つめ直していく。第93回アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞。Netflixで2020年9月7日から配信。
映画.comより引用
基礎情報
タコの生態基礎知識
知能は高く(犬や猫並み)、好奇心旺盛。
数千個の吸盤を使って(全ての吸盤をコントロールできるそうです!)貝を引っ付けて身を守ったり、時には地上に逃げたりもします。
擬態能力、色彩能力に優れていて、皮膚の色も変えることができるし、頭に角のようなものが出てきたり、足を2本使って2足歩行することもある。
寿命は約1年。
一生に一度の交尾を終えた後オスは死にます。
メスは卵をふ化させるまで片時もそばを離れない。
飲まず食わずで卵の世話をする。
そしてとうとう卵がふ化する姿を見たあと、衰弱して死んでしまう。
クレイグと彼女(タコ)の出会い
クレイグは映像作家。
仕事のし過ぎで心身ともに疲れ切ってしまい、仕事道具であるカメラを視界に入れたくないと思うほど追い詰められていた。
大きな変化を求め、海に潜り、自然と一体になる感覚を得る。
次第に撮影意欲が戻り、カメラを手に海へもぐるまでになったクレイグ。(このころ潜り始めて約1年)
そして彼女と運命的な出会いを果たす。
彼女は最初は恐る恐る、しかし次第にクレイグに心を開くようになる。
『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』(2020)ネタバレ感想
か、かわいい...。
この感情、かつてタコに抱いたことがあっただろうか。
いや、ない!
人生初のオクトパス萌えを経験しました。
タコの生態が次から次に明らかになる中、撮影するクレイグはもちろん、鑑賞する私も彼女(タコ)にどんどん惹かれていきます。
魚と遊ぶ(と思われる)シーンなんてかわいらしさに涙がにじんだもの。
敵のサメからあの手この手で身を隠すシーンは手に汗握る緊張感。
命がかかっているんだということが真に迫ってきます。
「頼む、タコよ逃げ切ってくれ!そしてサメよ、どこかのくぼみに挟まって身動き取れなくなってくれ!」という身勝手な人間の願望を抱きながら観てました。
こんなにタコがかわいく見えるのは、クレイグが彼女に対して計り知れないほどの愛を抱いていたからという点も大いにあると思いますが、その生態を知るほどタコは魅力的な生物だと気づかされます。
なんとなく鑑賞し始めたのに、時には拳を握りしめたり、目を逸らしたり、涙を流したり濃密なストーリーに夢中になりました。
コロナ禍で外出することもままならない今日この頃ですが、自然を目の当たりにするとその圧倒的な生命力に打ちのめされそうになります。
私たちの手で自然を守らないとね。
二酸化炭素排出を減らそうとか、車を使う回数を減らそうとか、エアコンを一度下げるとか、できることをやっていこう。
私たちも命のサイクルの中にいるということに、改めて気づくことができたから。
印象に残ったシーン
一番印象に残っているのは、魚と一通り遊んだ後クレイグに抱き着く姿です。
ただ、じゃれているだけなんだろうか。
魚と同じで遊んでいるだけだろうか。
でも私にはその二人の姿はどんなラブシーンよりも美しいと思いました。