
昨今良質な音楽映画が続々と製作されています。
実在の人物になりきる演技力が素晴らしかったり、彼らが作った楽曲が良かったり、作品によって感想も様々です。
『ポップスター』は音楽シーンを減らしてでも、登場人物にもっと時間を費やすべき作品でした。
おススメ度
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『ポップスター』(2018)の作品情報

(C) 2018 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC
製作年 | 2018年 |
原題 | Vox Lux |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 110分 |
ジャンル | ドラマ |
監督 | ブラディ・コーベット |
脚本 | ブラディ・コーベット |
主要キャスト | ナタリー・ポートマン(セレステ)
ジュード・ロウ(マネージャー) ステイシー・マーティン(エリー) ラフィー・キャシディ(若いころのセレステ/アルビー) |
『ポップスター』(2018)の率直すぎる感想

(C) 2018 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC
映像は凝っているし、若かりし頃のセレステを演じたラフィー・キャシディはトラウマから抜け出せないセレステを不安定な表情で見事に演じていました。
冒頭瀕死の状態で病院に運ばれるシーンは、エンドロールのように上に流れていくクレジットと音楽で不安を掻き立てる事に成功しています。
でもね、一つ言わせてほしい。
詰め込みすぎやで監督さん!
何が言いたいん?いや、何と何となにが言いたいん?という感想です。
そしてラスト10分が花子には苦痛でした。
変なタイツで口パクで歌い踊るセレステ。
なんでスターになれたのかも分かりません。
セレステが歌う楽曲は全てSiaの曲だそうですね。
端折らずに全部聴いたら感動するかな、いや、せんやろな。
なんたってナタリー・ポートマンの声がかわいすぎるねんもん。
演技力は抜群よ、そりゃ。
画面も引き締まるわ。
でも声がかわいすぎるねん!!
ふわっふわしてるねんよなー。
ナタリーが歌い始めた瞬間から「あれ、これ何の話やっけ?」と我に返ってしまいました。
これは映画として致命的ではないでしょうか。
それでもやっぱり間違いなくナタリー・ポートマンの演技は良いし、これからも好きです。
次回作も観ます。
『ポップスター』(2018)の結末予想と答え合わせ
予想って何よ?と言いたい。
もっと考えて言葉を発しろよ!と言いたい。
今回も予想太郎は全然予想できませんでした。きっと次回も外れるでしょう、と花子は予想します。
『ポップスター』(2018)姉妹の関係

(C) 2018 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC
1999年セレステの高校で、同級生が銃乱射事件を起こすところから物語は始まります。
かなりショッキングなシーンで、銃弾を浴びながらも生き延びたセレステがどれだけの心と体の傷を負ったか想像に難くありません。
そしてセレステの姉のエリー。
彼女は当日学校を病欠していたことで事件を免れます。
それが彼女に罪悪感を負わせ、彼女も事件から逃れられないでいます。
私はここにもっと焦点を当てればよかったんじゃないかなーと思います。
なぜそこまでセレステに尽くすのか、観客の私たちにはよくわからないんです。
更に言ってしまえば「マネージャーと姉が男女の仲となった」ことがきっかけで姉妹の絆が壊れるのですが、ここもよく分かりません。
セレステが14歳に見えないからでしょうか、本作がナレーションに頼りすぎているからでしょうか。
ここからセレステは純粋無垢な少女ではなくなるという展開なのですが、ちょっと伝わりませんでした。
ちなみにナレーションはウィレム・デフォーです。なんでやろう?
ラストのステージで、そういった姉妹の複雑な関係もセレステの圧倒的なパフォーマンスの前には無意味なものになるということなんでしょうけど、圧倒的じゃなかったから姉のエリーと娘のアルビーの表情が物語と繋がっていないように感じてしまいました。
『ポップスター』(2018)まとめ

(C) 2018 BOLD FILMS PRODUCTIONS, LLC
本作は映像や音楽はこだわりぬいたことが分かります。
エンドロールなんか無音で緊張感ビシビシ感じたもの。
ナタリーの演技力も素晴らしいです。
映像には映っていない、彼女の17年間が見えるような演技でした。
しかし本作はナレーション頼りで観客が置いてけぼりになってしまうという欠点があります。
見せ場になるはずのラストのステージの熱量が観客に届きません。
伝えたい事がありすぎて、どれもぼんやりとしか伝わらなかった感があります。
でも決して悪い作品ではありませんよ!
本作は22日間という猛スピードで撮影を終えた作品なので、その勢いのままに完成させたんでしょう。
ブラディ・コーベットの次回作に期待します!