
資本主義社会を表した寓話。発想はいいけど好きじゃない。
オススメ度 ★☆☆☆☆
『プラットフォーム』(2019)の作品情報
製作年 | 2019年 |
原題 | The Platform |
製作国 | スペイン |
上映時間 | 94分 |
ジャンル | SF、スリラー |
監督 | ガルダー・ガステル=ウルティア |
脚本 | David Desola、ペドロ・リベロ |
主要キャスト | イバン・マサゲ(ゴレン)
アントニア・サン・フアン(トリマカシ) |
『プラットフォーム』(2019)の感想
ネタバレ感想
好きじゃない。
好きになれない。
どうしても無理!
私が悪いんです。
こういった作品が苦手なのは予告を観たときから分かっていたのです。
でも楽しみにしていた『ザ・スイッチ』が公開延期になって落ち込んでしまって...。
映画不足に陥った結果、苦手と分かっている映画を観てしまった私が悪いんです。
でもレビューでは高評価の嵐だから、私は何かを見逃しているのかもしれない。
「穴」と呼ばれる本作の舞台を簡単に説明しておきます。
管理者らしきじいさんが、たくさんのコックに指示を出してごちそうを作らせています。
食べ物に何か余計なものが入っているとコックに激怒し、それだけ食べ物を大切にしているということが窺える画が出てきます。
1階の人間から順にそのごちそうを食べることができるのですが(食べ物はどんどん下に降りていく)、51階より下になると食べるものが残されていません。
そして自分がどの階になるのか選べないし、分からない。
決められた階で1か月過ごさなくてはならず、食べ物が残されない下の階では人肉をめぐって殺し合いが始まる始末。
下の階になったあと、上の階になったとしても、下にいた立場を忘れて、ひとかけらの思い入れもなく食べつくそうとするのです。
ていうかみんなの食べ残しを手づかみでがつがつ食べる姿は、とてつもなく卑しくて見ていられない。
あげく意味もなく残った食べ物に唾を吐くからね。
最初の相棒のおっさんは上手に演じてたなー。
「明らかだ」っていうのが口癖のおっさん。
あ、もう一つルールあった。
食べ物を取ったら死ぬまで熱くなるか寒くなるというルール。
持っておいて後で食べるってことはダメみたい。
それと「穴」に入る前に何か一つだけ持ち込むことができます。
主役の男性が選んだのは「ドン・キホーテ」の本。
なんの意味があったんだろうと考えたんですが、おそらくゴレンのラストの行動を示すアイテムってことじゃないかと思います。
流れとしては途中で出てくる聖書の一文から始まります。
わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。
(ヨハネによる福音書 6章54節)
この聖書の一文通り、トリマカシとイモギリを食べちゃったから、彼らはゴレンの一部になったんでしょう。
どんどん正気と人間らしさを失っていったゴレンは、ドン・キホーテの本を食べたことで正気を取り戻して(ドン・キホーテも現実と幻想の世界の区別がつかなくなっていったが最後正気を取り戻した)この世界(穴)を滅ぼすために戦う!ってことかな。
最初に目覚めた階が48階っていうこともなにか意味があるのだろうか。
最下層が333階で、穴の収容人数が合計666人ということに意味はあるのか?
悪魔の数字ということでいいのかな?
私には理解できないことが多く、調べたらより深くこの作品を知ることができるだろうと思うけど、私はいいです。
プラットフォームが資本主義社会を表していることは分かるし、ラストで子どもに希望を見出したことも分かるけど「それで?」と思ってしまったんですよね。
「ウォー!すげー!!」と思いたかった。
画が嫌だったからかなぁ。
『CUBE』や『SAW ソウ』と比較されるけれど、『プラットフォーム』は漠然とした割に説明臭くて、洗練されてない感がありました。
観て損したとまでは思わないけど、予告を観て「ちょっと絵面がきびしい」と思った人はやめておいた方がいいと思います。
ファーストインプレッションを大切にしましょう!