【Netflix『ラチェッド/Ratched』を観る前に】『カッコーの巣の上で』(1975)【でも努力はしたぜ。チャレンジはした。】ネタバレ花子の感想
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「人権」について考えたことがありますか?

オススメ度 ★★★★★

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『カッコーの巣の上で』(1975)の作品情報

製作年 1975年
原題 One Flew Over the Cuckoo's Nest
製作国 アメリカ
上映時間 129分
ジャンル ドラマ
監督 ミロス・フォアマン
脚本 ローレンス・ホーベン、ボー・ゴールドマン
主要キャスト ジャック・ニコルソン(マクマーフィー)

ルイーズ・フレッチャー(ラチェッド婦長)

マイケル・ベリーマン(エリス)

ブラッド・ドゥーリフ(ビリー)

ウィル・サンプソン(チーフ)

『カッコーの巣の上で』(1975)の感想

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本作は「観とかなあかん映画ベスト10」に入る作品です!

本作を花子が観たのはかれこれ25年ほど前です。

25年前に観た時は、(ジャック演じるマクマーフィー)と(患者を人間として扱わないラチェッド婦長)の対立の話だとしか思いませんでした。

ロボトミー手術」を知らなかった花子は、ラストのチーフの行動に驚き、感動するどころか頭が?マークでいっぱいになっていました。

さて25年を経て、酸いも甘いも噛み分けたアラフォーの花子が本作を再び鑑賞し、どういう感想を抱いたかというと➡「人間の尊厳を守る話!自分らしさを取り戻す話!」ということでした。

マクマーフィーの太陽のような存在感。

彼がみんなに与える影響の大きさ。

ジャック・ニコルソンという俳優がどれだけ素晴らしいのかがわかります。

以前鑑賞したときと大きく違って感じたのは、それほどラチェッドに対する不快感はなかったということです

もちろん極悪です。

患者を人とも思わず、言葉でコントロールし、相手が最も嫌がることを正義感をかざして平気で言ってのけるラチェッドは根っからの悪人です。

言葉によって人を自殺に追い込んでますからね。

でも、視点を変えてみたらどうなるでしょうか?

・ 病院側から見れば、患者をコントロールできる有能な人材。

・ 耳の遠い患者から見れば、大きい音で音楽を聴かせてくれる存在。

・ 精神が不安定な患者から見れば、規則正しい生活を送り、不安を減らしてくれる存在。

なのではないでしょうか。

絶対的な悪と言い切れない気がしました。

ラチェッドのやり方は、一人ひとりに向けた治療を行うことではなく、患者全体をひとまとめにしてコントロールするというやり方です。

院長やラチェッドは、管理できていると思い込んでいるし、そのやり方が正しいと確信していて患者全員に押し付けている。

一方マクマーフィーは自由奔放でルールを破るけど患者に生きる希望を与え、生きることの意味を教えました

それが彼の信じることであると同時に、みんなの表情の変化から、それこそが人間の本来あるべき姿だということが痛烈に伝わります。

精神疾患がある人への画期的な治療がないから病院に入れて規則正しく生活させ、薬で(向精神薬?)コントロールするだけの生活。

反抗的な患者には電気治療。

暴力的な患者にはロボトミー手術です。

本人や家族の同意も必要なく、病院が判断したらロボトミー手術を行えるという恐ろしさ。

自分の意思と関係なく、第三者の手で自分に対して変化を与えることが出来るなんて。

人としての尊厳は失われて、生きていても死んでいるかのよう。

歳を重ねた今、チーフのラストの行動が痛いほど分かります。

彼のマクマーフィーに対する最大の敬意の表れだったんですね。

『カッコーの巣の上で』(1975)花子の一番好きなシーン

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マクマーフィーがやり遂げることができなかった水飲み台を使ってチーフが脱走するシーンです。

チーフはマクマーフィーによって命を与えられました。

ろうあのふりをして精神病院で暮らす日々は、生きる意味がまるでなかったでしょう。

マクマーフィーの尊厳を失わせず、自由を手にした素晴らしいシーンです。

『カッコーの巣の上で』(1975)受賞歴

本作はアカデミー賞を総なめにしました。

・作品賞

・主演男優賞(ジャック・ニコルソン)

・主演女優賞(ルイーズ・フレッチャー)

・監督賞(ミロス・フォアマン)

・脚色賞

ビリー役のブラッド・ドゥーリフも助演男優賞ノミネートされていました。

ジャックの受賞は異論がなかったことでしょう。

生きる力が溢れて周りにも影響を与える人物を、軽やかに生き生きと演じていました!

『カッコーの巣の上で』(1975)のタイトルの意味

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原題はOne Flew Over the Cuckoo's Nestです。

「カッコーの巣の上を一羽が飛んだ」という意味。

アメリカではカッコーは「頭がおかしい人」という意味を持っており、カッコーの巣とは「精神病院」を表しています。

「精神病院」から自分の尊厳を取り戻し、自由を取り戻す為に飛び出した、チーフの事です。

原作ではチーフの目線で描かれているようです。

読みたいけど絶版なんだよなー。

『カッコーの巣の上で』(1975)ラチェッド婦長はモンスターなのか

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患者をコントロールすることに喜びを感じ、グループディスカッションという形をとって、患者の弱みに付け込み自分の権力を確固たるものにしているラチェッドは限りなくモンスターに近いと思います。

でも映画を見る限り、ラチェッドはわざとやっているようには見えないんですよね。

無意識的に人を傷つけるモンスターなのか。

この時代だからなのかもしれませんが、治療という概念はありません。

病院の役割は、薬を与えて規則正しい生活を送らせることだけです。

ラチェッドに意見を言っても言葉巧みにかわされてしまうので、患者たちはもはや意見すらできなくなっている。

でもマクマーフィが刑務所に戻るかどうかの話し合いで、ラチェッドが院内に押しとどめたのはなぜでしょう?

彼女は「自分なら治すことが出来る(コントロール)」と感じたからではないかと思います。

もう1点、自主的に入院している患者はなぜ出ていかないのでしょうか?

本当は退院する手続きなんて厳しくてできないとか?

もしくは帰っても誰も待ってないと洗脳してるから?

映画では描かれなかった部分が原作にあるかもしれません。

ぐぬぬ、何としても原作を読みたい!!

Netflix作品『ラチェッド/Ratched』への期待

『Glee』のクリエイター、ライアン・マーフィーが製作する『ラチェッド/Ratched』が2020年9月18日に配信されます。

予告編をご覧ください。

『ラチェッド』予告編 Netflix

ラチェッド婦長がいかにして普通の看護師からモンスターになったかというストーリーです。

見どころは何といってもサラ・ポールソンです!

彼女はコメディセンスがあるし、とても優しい雰囲気をまとっているのでどのような演技を見せてくれるのか楽しみです。

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