【リア王純粋すぎ】『アンソニー・ホプキンスのリア王』(2018)ネタバレ花子の感想
KingLear

まるで舞台を見ているような圧倒的演技を堪能できるけど...。

オススメ度 ★★★☆☆

スポンサーリンク

『アンソニー・ホプキンスのリア王』(2018)の作品情報

製作年 2018年
原題 King Lear
製作国 アメリカ、イギリス
上映時間 115分
ジャンル ドラマ
監督 リチャード・エアー
脚本 リチャード・エアー
主要キャスト アンソニー・ホプキンス(リア王)

ジム・ブロードベント(グロスター伯)

ジム・カーター(ケント伯)

エミリー・ワトソン(リーガン)

フローレンス・ピュー(コーディリア)

エマ・トンプソン(ゴネリル)

アンドリュー・スコット(エドガー)

ジョン・マクミラン(エドマンド)

wowow

『アンソニー・ホプキンスのリア王』(2018)の感想

ネタバレ感想

リア王はかなりのご高齢なのにとても純粋で単純。

あんた何年生きてんだよ!とつっこみたくなるほどに。

それゆえ悲劇の連鎖が止まらない。

「リア王」は、言わずと知れたイギリスの文豪シェイクスピアの四大悲劇の一つです。

現代と中世が混ざった世界に舞台を置き換えた野心的な作品ですが、ちょっと無理があります。

現代風にした意味が全く分からなかったからです。

あれかな。現代風にしたかったけど、スマホとかあったら手紙の下りがうまくいかなかいから中世も混ぜたのかしら。

観客を混乱させる以外に効果はあるのか?

超豪華キャストが名演技を繰り広げるので飽きることなく最後まで観る事ができますけどつっこみどころ満載。

私にとっての初リア王なので、こんな感じなのかな?ときょとんとする箇所はいくつもありました。

とにかくね、巨大な権力を持っていた王には見えないんですよね、リア王。

勘違い爺さんにしか見えない。

目で見たもの、耳で聞いたことしか信じないでいられる恐るべき純粋さ。

よくそれで国を統治し続けられたな。

100回ぐらいは人に騙されてきたんちゃうか?と心配になるほど純粋。

領土と権利をやるから俺の余生の面倒見ろよ!と娘に言うのですが、リア王は権利を譲る前同様、王であり続けようとする。

娘たちに全幅の信頼を置いているからこそなんですけどね。

権利を譲ると決めた時点で「王」の冠は脱ぎ捨てなあかんやろ。

あとね、コーディリアの死のシーンは、もう少し時間をかけても良かったんじゃないかな。

リア王が絶望に苦しみ狂って死ぬというラストに持っていくまでずーっと緊張感が張り詰めていたから、リア王の絶望が何に対してのものなのかよく理解できないまま終わってしまいました。

ええ。私は理解力に乏しいのです...。

リア王は本当に何も見えていなかったんだね。

権力を失った瞬間から娘と立場が入れ替わったことに気づくことなく、暴君のようにふるまい続けてしまった哀れなリア王。

娘たちは何も変わっていないのに裏切られたと悲しむ哀れなリア王。

現代の私たちに人間の哀れを訴えるには少し説得力が足りない作品でした。

『アンソニー・ホプキンスのリア王』(2018)キャスト

リア王:アンソニー・ホプキンス

王位から退く決意をした高齢の王。

3人の娘に全ての権利を譲る事を決意する。

誰がどれだけ自分を愛しているかプレゼンさせて、長女と次女の口ばかりの愛情に喜び、溺愛する末娘コーディリアの愛情はあるが正直な気持ちを聞いて激怒し勘当するという、のっけから耄碌しているじいさん。

ここからすでに悲劇が始まっていることに気づいていない!

忠実なしもべのケント伯が、リア王に助言するも怒りがコントロールできないリア王はケント伯も追放。

権力って怖い!

その後信頼していた長女と次女の裏切りに心を病んでいく。

ていうか裏切りってほどかね?

口ばっかりってわからんのかね?

でも何も分かっていなかったリア王が悲しみに打ちひしがれる様には同情してしまいますが。

長女と次女が鬼性格悪くて、恩を感じず欲望のままに生きているんですものね。

本当に自分を愛していた末娘コーディリアの気持ちに気づき、お互い身を寄せるように過ごした時間もつかの間、戦争に負けたコーディリアは捕えられてエドマンドによって殺されてしまいます。

その姿を見て、ショック死するという結末。

自分の目で見たもの、耳で聞いたことだけを信じた哀れな王。

真実に気づいた時には、すでに取り返しがつかないことになっていました。

 

演じるアンソニー・ホプキンスは、さすがの迫力です。

もう独壇場。

2021年5月公開の「ファーザー」では過去最高の演技と絶賛されていますね!楽しみです!

長女ゴネリル:エマ・トンプソン

父親からどれだけの愛情があるか聞かれた長女ゴネリルは顔色一つ変えず口から出まかせの言葉で王を喜ばせます。

その結果、まんまと素晴らしい領土と権利を手にします。

それを手にしたことで、月替わりにリア王と兵士100人と道化者をもてなさなければならなくなり、次第に父を疎ましく思い、妹と組んで冷淡な仕打ちをするようになる。

妹リーガンとは、もう一人の主人公であるグロスター伯爵の庶子(※本妻以外の女性から生まれた子)のエドマンドを巡って争います。

ていうか毒殺します。

それで自殺します。

 

演じるのはエマ・トンプソン。

今やイギリスを代表する俳優です。

次女リーガン:エミリー・ワトソン

長女の言葉をさらに大きくして父親への愛を訴えた次女リーガン。

ゴネリルと同じぐらい素晴らしい領土と権利を手にします。

姉と同様父が疎ましくなり、冷たい言葉で王を突き放します。

野心むき出しのエドマンドにほれ込むが、エドマンドラブの姉ゴネリルに毒殺されてしまいます

グロスター伯の目をえぐるえげつない人です。

あのシーンは恐ろしすぎて目をそらしてしまいました。

 

演じるのは名優エミリー・ワトソン。

最近ではドラマシリーズ「チェルノブイリ」でも演技を絶賛されています。

三女コーディリア:フローレンス・ピュー

リア王に溺愛されている末娘のコーディリア。

彼女は正直な性格から、言葉だけで軽々しく父親への愛を伝えることを拒否します。

それに激昂したリア王は、可愛さ余って憎さ百倍とばかりにコーディリアを勘当してしまいます。

全てを失ったコーディリアは、フランス国王と結婚し、国を離れます。

その後ほとんど正気を失った父と再会し、姉たちの裏切りを知ったコーディリアは姉たちが治めている祖国と戦います。

このときのコーディリアは現代的すぎて目を疑いました。

軍服っていうんですか?アーミー柄の兵隊の服を着てあれやこれやと兵士たちに指示を出しています。

そうか、中世という訳でもなかったなとちょっと我に返ってしまった次第です。

コーディリア率いるフランス軍は戦いに敗れ、父ともども捕えられてしまいます。

そしてエドマンドの指示により殺されてしまいます。

かわいそうやな、コーディリアは。

姉たちの悲劇は自業自得ですけど、コーディリアだけはとばっちりやんか。

 

出演シーンは少ないけれど、しっかりとした存在感があります。

元々フローレンス・ピュー目的で観たのですが、最初からピューは存在感が抜群。

目かなぁ。目が特別なんだろうか

あのアンソニー・ホプキンスと並んでも引け劣らないなんてすごいわ。

エドマンド:ジョン・マクミラン

もう一人の主人公エドマンド。

冒頭、リア王と共に登場したグロスター伯の庶子。

本妻の子どもではないという理由から、父親であるグロスター伯からもその存在を恥とされ、異母兄弟で本妻の子どもである兄エドガーに激しく嫉妬している。

いつか立場を覆そうと、言葉巧みに親子の絆を断ち切る悪い奴

虐げられた過去があったせいで、彼の憎悪と野望はとどまることを知らず、どこまでも何もかも手に入れようとします。

リア王の娘ゴネリルとリーガン二人を手玉に取りのし上がるが、裏切りがばれたため、兄のエドガーと決闘することに。

その結果リア王とコーディリアを絞首刑にするよう指示をしたことを告げて絶命してしまう。

最後ちょっと改心したからって極悪人には変わりないと思います。

エドマンドには心がない。いや、あったからこそか。

こじらせてモンスターになってしまったんですね。

自らの手で兄を追放し、父を裏切る。

リア王の二人の娘と悪びれることなく密通していますが、彼女たちの死によって本当の愛を知ったということでしょうか?

愛を知らなかった人間が、死の間際に、相手の死によって愛を知るなんて皮肉すぎる。

エドガー:アンドリュー・スコット

善良なエドモンドの兄エドガー。

人を疑うことを知らないお人よし。

虎視眈々と権力(親の愛?)を狙う異母兄弟のエドマンドに騙されて父親から追われる身に。

「乞食のトム」となって身を隠しているときに娘に裏切られ打ちひしがれたリア王と出会う。

弟に父親ともども裏切られたエドガー。

絶望した父を一度は救うが、盲目となった父はトム=エドガーと気づきショック死。

結局死ぬんかーい!

父のグロスター伯は、今まで見えていなかったものが、盲目となることで見えるようになったということを表すための(?)キャラクターです。

 

演じるアンドリュー・スコットは、アイルランド出身の俳優。

舞台や映画で大活躍しています。

最近では「1917 命をかけた伝令」、「肯定と否定」、ドラマ「フリーバッグ」でセクシーな神父を演じています。

ベネディクト・カンバーバッチ主演のBBCドラマ「シャーロック」で、宿敵ジム・モリアーティー役でブレイク。

今後最も目が離せない俳優の一人です!

『アンソニー・ホプキンスのリア王』(2018)まとめ

リア王はとても純粋な心を持った王です。

見えるものしか信じられない為に、見ている私たちからすれば「裸の王様」状態です。

リア王に出てくる人物は、みんな普通の人間です。

その人間の持つ劣等感や嫉妬、愛情や欲望をどこまでもあぶりだす恐ろしい作品です。

リア王を見た後、果たして私は真実が見えているだろうかとふと考える事があります。

少し古く感じるけど、仰々しい演技と深みのあるセリフは一度見たら心から離れません。

シェイクスピアの戯曲は読んだことがありませんが、今年は挑戦してみます。

スポンサーリンク
おすすめの記事