理解できたかはわからない。でも「何か」が見えた『ドライブ・マイ・カー』(2021)ネタバレ感想
(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会

 

『ドライブ・マイ・カー』(2021)の感想、解説をしていきます!

『ドライブ・マイ・カー』(2021)の評価

項目 評価
知名度
配役/キャスト
ストーリー
物語の抑揚
村上春樹度
おススメ度
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『ドライブ・マイ・カー』(2021)の作品情報

製作年 2021年
原題

ドライブ・マイ・カー

製作国 日本
上映時間 179分
ジャンル ドラマ
監督 濱口竜介
脚本 濱口竜介、大江崇允
主要キャスト 西島秀俊(家福悠介)

三浦透子(渡利みさき)

岡田将生(高槻耕史)

『ドライブ・マイ・カー』(2021)の概要

舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…

Filmarksより引用

『ドライブ・マイ・カー』(2021)の感想

喪失と再生の物語。

現実を受け入れ、赦し赦され、未来へ進む物語。

人と人とが関わることでそれは可能になり、人と人とが関わることで、辛くても生きていく力になる。

「傷つくことを恐れず、悲しみに向き合う」というのは簡単に聞こえるけれど、何と恐ろしく難しい事かこの映画で分かった気がします。

自分が進むべき大きな道があることは分かっているのに、わざとそれた道に行ってしまう。

でもその道は決して間違った道ではなくて、その道に行かなければ見えないものがある。

まわり道に見えても、それこそが本当に進むべき道なんだろうと思います。

鑑賞後は温かい気持ちになり、車を運転したくなりました。

そして自分のお気に入りの場所というものがないことを悲しく思いました。

でも今から探せばいいか。きっと見つかる。

「何か」が分からなかった高槻が、観客に見せた「何か」

感情を出さない家福と感情を抑えられない高槻。

妻の浮気相手の一人である高槻の行動や言葉によって家福は閉ざし続けていた自分の心の蓋を開け始める。

高槻が持っているのは美しい顔立ちと空洞のような心、抑えられない感情、そして暴力。

今まで全く注目してこなかった岡田将生の演技に震える日が来ると思わなかった。

人に暴力(殴られた人はその後死亡)をふるった後なのに、まっすぐな瞳でこちらに向かってとつとつと語る彼の言葉は直接観客に響く。

あの瞬間のあの演技は、高槻が野外のワークショップで見えなかったと言っていた「何か」が、はっきりと観客に見えた瞬間でした。

岡田将生という俳優の演技力、そして監督の演出力、二人の計り知れない力に圧倒されました。

ラストシーンについて

ラストシーンでみさきが韓国にいた理由。

ちょっと唐突すぎる気がしましたが、あのシーンだけで二人の現在が分かりますね。

・家福は大切にしていた車を手放し、みさきに譲った

・みさきは韓国にいて、手術で顔の傷を治した

それは二人が前を向いて進んでいるということを表わしています。

『ドライブ・マイ・カー』(2021)まとめ

「喪失と再生」というよくあるテーマを、劇中劇という手法を使ったことで、家福の心情の変化がわかりました。

上映時間の長さにビビって観るのを躊躇していましたが、本当に観て良かったです。

前半は戸惑ってばかりで何が起きているのか、私はこの映画を理解できるのか不安で仕方なかったけれど、ラストの家福やみさとの気持ちが劇中劇の「ワーニャ叔父さん」のセリフとリンクしたときにガツンと感情の波が押し寄せてきました。

車が走る音が心地よく、広島、瀬戸内の美しさに見とれ、みさきの照れ隠しに萌え、家福とみさきの再生を心から嬉しく思う。

鑑賞後はとても気持ちが良かったです。

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