息すらも止めてご覧ください『アネット』(2020)ネタバレ感想
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極上の映画体験。

『アネット』(2020)の感想、解説をしていきます!

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『アネット』(2020)の作品情報

製作年 2020年
原題

Annette

製作国 フランス・ドイツ・ベルギー・日本・メキシコ合作
上映時間 140分
ジャンル ドラマ
監督 レオス・カラックス
脚本 ロン・マエル
主要キャスト アダム・ドライバー(ヘンリー)

マリオン・コティヤール(アン)

サイモン・ヘルバーグ(指揮者)

アネット(デビン・マクドウェル)

『アネット』(2020)の概要

スタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライヴァー)と有名なオペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)はロサンゼルスで出会い、恋に落ちる。何もかもがあまりにもかけ離れたカップルの動向は、次第に世間の注目を浴びるようになっていく。やがて二人の間に娘のアネットが誕生したことにより、ヘンリーとアンの行く末に狂いが生じ始める。

「シネマトゥデイ」より引用

『アネット』(2020)のキャストについて

ヘンリー:アダム・ドライバー

カリスマスタンダップ・コメディアン。

カリスマ性とセクシーさが半端ない。

いつも舞台上で死ぬオペラ歌手のアンと恋に落ち、二人の間にアネットという娘が誕生する。

(出産シーンでは古館寛治さんが登場して驚きました!違和感なく違和感出してる感じが良かったです)

アネットの誕生後、アンの人気は衰えることなく、オペラ歌手として世界を飛び回りますが、逆にヘンリーの人気は陰りが見え始め、スランプ状態に。

必然的にアネットの育児はヘンリーが担当することに。

少しずつ不満が芽生え、卑屈精神が爆発したヘンリーはアンに対する嫉妬に悩まされます。

関係を改善しようとした旅行先でもヘンリーは自分を変えることが出来ません。

結局この旅の途中、荒れ狂う海にアンは投げ出されて死んでしまうのでした。

アネットが光に照らされたときに美しい歌声を奏でると気づいたヘンリーは、アネットを利用してお金を稼ぐことを思いつく。

アン:マリオン・コティヤール

カリスマコメディアンのヘンリーと恋に落ちるオペラ歌手アン。

2人の間に「アネット」が誕生することで二人の溝が徐々に深まり、埋まることなくアンはヘンリーにより(?)殺されてしまいます。(事故扱いになった)

彼女はアネットの声となってヘンリーへ復讐を果たすことを誓います。

アネットは自分を商売道具として利用したヘンリーを責めますが、アンのことも同様に責めるのです。

仕方ないね、ヘンリーへの恨みを晴らす道具としてアネットを利用していたから。

アンもまたヘンリーのように自己愛が強い人間なのだなぁ。

指揮者:サイモン・ヘルバーグ

みんな大好き「ビッグバン・セオリー」のハワード役でおなじみのサイモン・ヘルバーグです。

メリル・ストリープ主演の『マダム・フローレンス!夢見る二人』でもピアノ演奏者として出演していました。

独特な魅力がある俳優です。

本作ではアダム・ドライバーとの体格差も重要なポイントでした。

指揮をとりながら観客に話しかけるシーンが好きでした。

『アネット』(2020)の感想

冒頭が素晴らしすぎて鳥肌が立ちました。

エンドロールが最高すぎて涙が溢れました。

全く関係のない、ただの観客の私が、なぜかこの作品に関わったかのような不思議な気持ちになったのです。

原案はスパークス。

彼らの音楽で満たされた作品ですし、ちゃんと彼らも登場し歌っています。

全ての歌はライブ収録

凄すぎません?みんなすごいです本当に。

特にマリオン・コティヤール!

『エディット・ピアフ』でその美声は世界に知られていますが、本作でも素晴らしい歌声を披露しています。

時には背泳ぎしながら歌うのです。

2人は愛し合いながらも歌いますからね。

私は一人で鑑賞したんですが「お、おぉ...。」と、どうしようもなく気恥ずかしくなりました。

アダム・ドライバーの手が怖い

「アネット」の内容は比較的わかりやすいです。

エゴイストの男性が深淵を覗いたために転落していく様を描いた物語です。

最初はヘンリーとアンは心から愛し合っていました。

すれ違ううちに見えていなかった相手の知らなかった部分が見えてくるというのはだれしも経験があると思います。

「アネット」ではまさにその状態と、そしてそれによって悲劇を迎えるという流れを時間軸通りに見せてくれます。

「We love each other」を歌っている時、ヘンリーがアンの頭を支えながら歩くのですが、その手がとても大きくて、それによって観客はヘンリーの潜在的な暴力性をうっすらと知る仕掛けになっているのではないかと感じました。

アネットの本当の父親(と思われる)サイモン・ヘルバーグと対峙するシーンでは彼の圧倒的な大きさ、力強さでいとも簡単に殺してしまうのです。

その姿はまるでモンスター。

なぜアネットは人形?

娘アネットは誰が見ても人形にしか見えず、それはつまり彼女は両親から一人の人間としてではなく、親に利用されている存在ということを表わしているのだと思いました。

何も知らずに観たので、アネットが映し出された時は3度見しました。

不安になりすぎて周りの観客の表情をこっそりのぞいたりもしました。

みんな顔色一つ変えていませんでした。

「やるじゃん、カラックス」みたいな顔に見えました

多分気のせいだけど。

 

刑務所でヘンリーと会った時には彼女は生身の人間として登場します。

ヘンリーとアンという親の呪縛から逃れて一人の人間になったということでしょう。

カーテンコール

物語が終わった後にもうひと盛り上がりできる作品なんて今まであったでしょうか?

『アネット』はエンドロールも最高なんです!

ヘンリー目線で見ると自業自得とはいえ絶望で幕を閉じるのですが

エンドロール中に、役者や製作に携わった人たちが「面白かったら友達に薦めて。友達がいなければ知らない人に声をかけて」と歌いながら練り歩くんです。

刑務所でヘンリーを突き放したアネットが楽しそうにアダム・ドライバーやマリオン・コティヤールの周りを走り回ってる。

基本的に映画ってその世界に入り込むことが前提なんじゃないかと思っていたんですけど、「アネット」はその固定概念をぶち破ってくれました

これは現実ではなく物語。一生懸命作ったよ。っていう製作側の気持ちを伝えるという手法。

これが大成功しているんです!!

私は友達いないからブログで薦めます

この体験は、忘れられないものになるでしょう。

もしそう感じたら、友人か見知らぬ人に「アネット」を薦めてください。

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